非標的分析と未知構造推定 ― 答えが全部わかっている試料でも、当てられたのは46%だった【2026年版】
質量分析

非標的分析と未知構造推定 ― 答えが全部わかっている試料でも、当てられたのは46%だった【2026年版】

高分解能MSで「未知のピーク」を追う非標的分析は、環境・食品・医薬・法科学に急速に広がった。 だが米国EPAが主催した共同試験ENTACTでは、何が入っているかを全部わかっている合成混合物を目隠しで 分析させたところ、異性体を除いた真陽性率は最良でも46%、答えを見てからやり直しても65%にとどまった。 本記事は「なぜ当たらないのか」を二段階に分けて追う。第一に、質量精度をいくら上げても分子式は 一意にならない(Kind & Fiehn が2006年に論文タイトルで宣言している)。第二に、分子式が決まっても 構造は決まらない。そのうえで、この不確かさを隠さずに申告するために作られた Schymanski の5段階、 PFAS向けに枝分かれした信頼度スケール、そして ICH Q3A の「未同定不純物」と ICH Q3E の AET という 規制側のしきい値までを、すべて原典の数値で整理する。

標的分析には、答え合わせの手段がある。標準品を買ってきて、保持時間と MRM トランジションを合わせれば、それが本物かどうかは決着する。

非標的分析には、それがない。クロマトグラムの上に立っている数千本のピークのうち、標準品が手元にあるのはごく一部で、残りは「何かがそこにある」という事実だけがわかっている。そこから先へ進むために、この20年で分子式計算・同位体パターン照合・in-silico フラグメンテーション・機械学習が次々に投入されてきた。

では、どこまで進んだのか。米国環境保護庁(EPA)がそれを測るために、少し意地の悪い実験をしている。中身が全部わかっている合成混合物を作り、参加ラボに目隠しで配って「何が入っているか当ててみろ」と言ったのである。ENTACT(EPA's Non-Targeted Analysis Collaborative Trial)という。

結果は、異性体を割り引いたうえで、真陽性率が最良でも46%だった。しかも、これは失敗例ではない。答えを見てからやり直した「アンブラインド」の再解析でさえ65%である(Sobus ら, Anal Bioanal Chem 2019)。

この数字は非標的分析を否定するものではない。むしろ逆で、この分野が自分の限界を数字で公表したという点にこそ意味がある。本記事は、その46%の内訳を分解していく。

この記事の読み方

  • 入門者の方は「標的・サスペクト・非標的」「答えを配ってから採点した実験」「だから『同定した』と言わずに、段階で申告する」の3節を読めば、この分野の作法がつかめます。
  • 現場の分析者の方は「分子式が一意に決まらない」以降の数値と、「規制側が引いたしきい値」を中心に。日常の報告書の書き方が変わるはずです。
  • 数値はすべて原典(査読論文・規制ガイドライン本文)にあたって確認したものだけを載せ、確認できなかったものは「未確認・限界」の節に分けました。

標的・サスペクト・非標的 ― 同じ装置で何が違うのか

標的分析・サスペクトスクリーニング・非標的分析の比較表。標的分析は化合物リストと標準品を持ち濃度を返す。サスペクトスクリーニングはリストだけを持ち、リスト内の候補らしいものを返す。非標的分析はリストも持たず、分子式や構造の候補を返す
図解:3つの立場 ― 事前に何を持っているかで、出てくる答えの種類が変わる。標準品の有無が決定的である。

まず言葉を整理します。同じ LC-HRMS(高分解能質量分析)を使っていても、3つの立場はまったく違うものです。

立場 事前に持っているもの 出てくる答え
標的分析(target) 化合物リスト+標準品 「PFOS が 12 ng/L」のような濃度
サスペクトスクリーニング(suspect screening) 化合物リスト(標準品はない 「このリストの中の◯◯らしいものが出た」
非標的分析(non-target, NTA) リストもない 「この分子式・この構造かもしれない何かがある」

サスペクトスクリーニングは、リストがあるという意味では標的分析に近く、標準品がないという意味では非標的分析に近い、中間の立場です。実務ではこの2つが同じワークフローの中で連続的につながっているので、報告書ではどこまでがリスト由来でどこからが本当の未知なのかを書き分ける必要があります。後述する信頼度レベルは、まさにその書き分けの道具です。

なお、非標的分析でも「濃度」を出したくなりますが、標準品がなければ検量線が引けません。この点は後半の ICH Q3E の節で、規制側がどう折り合いをつけているかを見ます。

答えを配ってから採点した実験

ENTACT の結果を示す図。EPA ToxCast の1269種を対象に、真陽性率は目隠しで46%、答え合わせ後で65%。観測できた物質の82%はMS1データだけで正しい分子式が付いたが、MS2で構造の裏付けまで到達したのは14%。正しく同定された化合物の45.3%はGCかLCの片方でしか検出されなかった
図解:ENTACT の成績 ― 分子式まではかなり当たる(82%)が、構造の裏づけまで行けるのは 14%。落差はライブラリのカバー範囲に由来する。

ENTACT の設計はシンプルです。EPA の ToxCast ライブラリから 1,269種の物質を選び、それを10本の合成混合物に振り分けました。1本あたり 95〜365種が入っています。中身は EPA だけが知っていて、参加ラボには伏せられます。

この試験の全体像を報告した Ulrich らの論文(Anal Bioanal Chem 2019;411:853-866)から、まず全体の数字です。

  • 1,269種のうち、1,074種は少なくとも1つの手法で検出・正答された。
  • 逆に言えば、195種(15.4%)はどの手法でも同定されなかった
  • 正しく同定された化合物のうち、45.3%は片方の手法(GC か LC のどちらか)でしか出てこなかった
  • そして「ほぼすべての参加者が、実際に入れられたよりも多くの化合物を検出・報告した」。つまり偽陽性が常態的に出たうえ、報告数のラボ間ばらつきも大きかった。

45.3%という数字は重要です。GC と LC は「同じ試料を別の角度から見ている」のではなく、そもそも見ている化学空間が半分ずれている。片方だけで非標的分析をやるかぎり、見えない領域が原理的に残ります。

次に、参加ラボの1つ(EPA 自身のグループ)が自己評価として公表した Sobus らの論文(同誌 411:835-851)です。こちらは自分の手法の限界を徹底的に洗い出しています。

  • 選んだ手法で観測できたのは少なくとも60%の物質。アンブラインド後の最終集計で 758物質(60%)
  • 異性体を割り引いた真陽性率は、目隠し段階で最大46%、答えを見てからの再解析で最大65%
  • 複数の混合物に入れられ、かつ一度でも観測された物質についての再現率は75%
  • 観測できた物質のうち、MS² データを使って同定できたのは平均14%にすぎなかった。
  • 一方で、観測できた物質の82%は MS¹ データ(精密質量と同位体パターン)だけで正しい分子式が付いた

この最後の2つの対比が、本記事の骨格です。分子式まではかなり当たる(82%)。しかし構造の裏づけまで行けるのは14%。ギャップは、MS² スペクトルを持っているライブラリ側のカバー範囲に由来します。

そして著者らはこう書いています ——「ある媒体に真に存在している化合物は、検出されないことがありうるし、実際に検出されない。どの化学物質が見落とされるかは、手法の選択と実装の関数であるように見える」。

つまり、非標的分析の検出限界は装置の感度ではなく、手法設計そのものだという宣言です。

なぜ当たらないのか(1)分子式が一意に決まらない

900 Da における分子式候補数の比較表。質量精度1 ppmでは345個、存在しない0.1 ppmの装置を仮定しても32個。ところが3 ppmでも同位体存在比を2%の確度で測れていれば18個まで落ちる
図解:900 Da での候補数 ― 3 ppm+同位体 2 % が、存在しない 0.1 ppm 装置に勝つ。分子式を決めているのは質量精度単独ではない。

ここから原理に降ります。

「高分解能質量分析なら分子式が決まる」というのは、初学者向けの説明としてよく使われますが、正確ではありません。この点については、論文のタイトルそのものが結論を述べている例があります。

Kind T, Fiehn O. "Metabolomic database annotations via query of elemental compositions: Mass accuracy is insufficient even at less than 1 ppm" BMC Bioinformatics 2006;7:234.

「1 ppm 未満でも質量精度は足りない」。2006年の論文です。

彼らは C, H, N, S, O, P(および F, Cl, Br, Si)からなる160万通りの分子式を網羅生成し、質量ごと・質量精度ごとに候補が何個残るかを数え上げました。以下がその表3の抜粋です(LEWIS 則・SENIOR 則によるチェックは適用済み。極端な元素数の候補は除外済み)。

分子量 10 ppm 5 ppm 3 ppm 1 ppm 0.1 ppm 3 ppm+同位体2%
150 Da 2 1 1 1 1 1
200 Da 3 2 2 1 1 1
300 Da 24 11 7 2 1 1
400 Da 78 37 23 7 1 2
500 Da 266 115 64 21 2 3
600 Da 505 257 155 50 5 4
700 Da 1046 538 321 108 10 10
800 Da 1964 973 599 200 20 13
900 Da 3447 1712 1045 345 32 18

読み方は次のとおりです。

  • 400 Da を超えると 1 ppm でも候補が一意にならない。700 Da では 108個、900 Da では 345個が残る。
  • 0.1 ppm という(当時も今も)存在しない性能の装置を仮定しても、500 Da 以上では一意にならない。900 Da で 32個。
  • 著者らの結論はこうです ——「質量精度を改善することは、元素組成の自動割り当ての解決策ではない」。

ここで効いてくるのが最終列です。3 ppm という平凡な質量精度でも、同位体存在比を 2% の確度で測れていれば、900 Da で候補は 18個まで落ちる。存在しない 0.1 ppm 装置(32個)より少ない。

論文には「そのような装置(当時の TOF)は、5倍高価なイオンサイクロトロン共鳴質量分析計を、分子式計算という点では明確に上回りうる」と書かれています。分子式を決めているのは質量精度ではなく、質量精度と同位体忠実度の組み合わせなのです。

直交フィルタとしての同位体パターン

なぜ同位体パターンがそれほど効くのか。理由は単純で、精密質量と同位体存在比は互いに独立な情報だからです。統計でいう直交フィルタにあたります。

天然存在比は ¹³C が ¹²C の約 1.11%、¹⁸O が ¹⁶O の 0.2%、¹⁵N が ¹⁴N の 0.367%、²H が ¹H の 0.015%、³³S と ³⁴S が ³²S の 0.79% と 4.43%。つまり M+1・M+2 の高さは、その分子に炭素・硫黄・塩素が何個入っているかを直接語ります。同じ精密質量を持つ候補でも、C を1個減らして N₂ を足したような組み合わせは M+1 の高さが変わるので、そこで落ちます。

Kind と Fiehn は、実測例も出しています。GC-TOF で測ったトリメチルシリル化ソルビトールの擬分子イオン(m/z 615.324、質量誤差 5 ppm)では、候補が 370個。ここに LEWIS 則・SENIOR 則と 5% の同位体存在比誤差を課すと、12個まで落ちました。一方、直交フィルタなしで質量精度を 1 ppm まで上げた場合は 56個残ります。

論文の言葉では「500 u 以上でこの直交フィルタを適用すると、常に候補式の 95% 以上が除かれる」。

実務的な含意は明快です。非標的分析の装置選定で、質量精度の桁だけを見るのは片手落ちです。同位体存在比をどれだけ正確に返すか(そしてそれが検出器のダイナミックレンジや飽和とどう関係するか)を、デモ機で実測する価値があります。

Seven Golden Rules ― 「化学的にありえない式」を捨てる

同じ著者らは翌年、フィルタをルール化しました。

Kind T, Fiehn O. "Seven Golden Rules for heuristic filtering of molecular formulas obtained by accurate mass spectrometry" BMC Bioinformatics 2007;8:105.

7つのルールは、(1) 元素数の制限、(2) LEWIS 則・SENIOR 則、(3) 同位体パターン、(4) 水素/炭素比、(5) N・O・P・S の炭素に対する比、(6) 元素比の確率、(7) トリメチルシリル化合物の扱い、です。

検証の規模が印象的です。

  • ルールは既存の 68,237 個の分子式から導出。
  • PubChem の500万エントリをカバーする 432,968 個の分子式で整合性を確認したところ、すべてのルールを通らなかったのはわずか 0.6%
  • 2000 Da までの C, H, N, S, O, P からなる理論上80億通りの式を、6億2300万通りの「もっともらしい」組成に絞り込んだ。
  • DrugBank・TSCA・DNP から選んだ 6,000化合物で、5%の同位体比誤差と 3 ppm の質量精度を仮定したとき、正解の分子式がトップにくる確率は 80〜99%

ルール5の元素比は、そのまま実務のチェックリストになります(Wiley 質量スペクトルデータベースの 45,000 式、30〜1500 Da に基づく)。

元素比 一般範囲(99.7%をカバー) 拡張範囲(99.99%をカバー)
H/C 0.2–3.1 0.1–6
N/C 0–1.3 0–4
O/C 0–1.2 0–3
P/C 0–0.3 0–2
S/C 0–0.8 0–3
F/C 0–1.5 0–6
Cl/C 0–0.8 0–2
Br/C 0–0.8 0–2
Si/C 0–0.5 0–1

分布は正規分布ではないので、3σ・4σ ではなく累積割合で範囲を切った、と明記されています。ここが誠実な設計です。上限を超える実在化合物もあり、論文はメチルヒドラジン(CH₆N₂、H/C = 3)やテトラシアノピロール(C₈HN₅、H/C = 0.125)を例外として挙げ、フラーレン研究のようにルールを外すべき場面があることも書いています。

F/C の上限が他より緩い(一般範囲で 1.5)ことは覚えておいてください。後述する PFAS の節で効いてきます。

なぜ当たらないのか(2)分子式が決まっても構造は決まらない

MSNovelist の性能を示すフロー図。GNPS の3863本のMS2スペクトルを入力すると、99.5%は妥当な分子式を持つ構造が生成され、上位128件に正解が含まれるのは45%、1位が正解なのは25%。同じデータでのCSI:FingerIDによるデータベース検索のトップヒット39%が上限として働く
図解:構造推定の到達点 ― 1位が正解なのは 25 %。上限は同じフィンガープリントを使うデータベース検索の 39 % で決まっている。

分子式が決まったところで、構造は決まりません。C₈H₁₀N₄O₂ はカフェインですが、同じ式を持つ別の構造も書けます。実務ではもっと悪く、候補構造は PubChem を引くだけで数千から数万件になります。

ここを埋めるのが in-silico フラグメンテーションと機械学習です。代表例が CSI:FingerID(Dührkop ら, PNAS 2015;112:12580-12585)で、MS² スペクトルからフラグメンテーションツリーを組み、機械学習で「分子フィンガープリント」を予測し、それで構造データベースを検索します。

性能はこう報告されています。Agilent と GNPS 由来の 5,923化合物を PubChem に対して検索したとき、3つの手法(CSI:FingerID・CFM-ID・MAGMa)のいずれか1つでも正解を1位に持ってこられたのは 44.4%。手法間の勝敗では、CSI:FingerID が CFM-ID に勝つのが 65.6%、負けるのが 23.8% でした。

重要なのは 44.4% という数字の性質です。これは「正解が構造データベースの中に必ず入っている」という前提での成績です。本当に新規の化合物 —— データベースに載っていないもの —— には、この方法は原理的に届きません。

そこで出てきたのが de novo 構造生成です。

Stravs MA, Dührkop K, Böcker S, Zamboni N. "MSNovelist: de novo structure generation from mass spectra" Nat Methods 2022;19(7):865-870.

MSNovelist は、フィンガープリント予測とエンコーダ・デコーダ型ニューラルネットを組み合わせ、データベースを引かずに構造を生成します。GNPS の 3,863本の MS² スペクトルでの評価では、

  • 生成した構造のうち 99.5%は正しい分子式を持つ妥当な構造だった。
  • 正解を1位に置けたのは 25%、上位128件のどこかに含められた(retrieve できた)のは 45%
  • CASMI 2016 チャレンジでは 26% / 57%

そして著者らは天井を明示しています。同じデータで CSI:FingerID によるデータベース検索が正解を1位にできたのは 39% であり、MSNovelist は同じフィンガープリントを使う以上これを超えられない、と。

構造推定の性能を決めているのは生成アルゴリズムではなく、MS² から予測されるフィンガープリントの質だという整理です。

2024年、評価の切り方を変えたら成績がゼロになった

従来の分割法と MassSpecGym の分割法の比較図。従来は2D InChIKey で分けるため類似度0.85超の近縁構造が訓練側に漏れており正解率は約25%。MCES距離で分けて未知の骨格を厳密にテストすると、de novo生成のベースライン正解率は0%になる
図解:分割を変えると成績が変わる ― 近縁構造の漏れを断つと、de novo 生成のベースラインは正解率ゼロになる。

25% という数字は、それなりに希望のある数字に見えます。ところが2024年、この種の評価そのものに疑問が投げかけられました。

MassSpecGym(Bushuiev ら, NeurIPS 2024 Datasets and Benchmarks Track)は、MS² からの構造推定を機械学習のベンチマークとして標準化する試みです。231,000本の高品質 MS² スペクトル、29,000種のユニーク構造を集め、そのうち 10,000分子(33%)は新規に自前測定したものです。

新しかったのは、データの分割方法でした。

従来の研究は「同じ平面構造(2D InChIKey)が訓練側とテスト側の両方に現れないように分ける」という方法をとっていました。しかしこの方法だと、メチル基が1つ違うだけの近縁構造(Tanimoto 類似度 0.85 超)が訓練側に残ってしまう。実質的なデータリークです。

MassSpecGym は代わりに MCES(最大共通辺部分グラフ)距離で分割し、訓練側とテスト側の分子編集距離が離れるようにしました。つまり「見たことのない骨格を当てられるか」を測る設計です。

その結果は、論文の言葉でこうです ——「de novo 生成の課題については、どのベースライン手法もゼロを超える正解率を達成しなかった」。さらに、SMILES を生成する Transformer ベースラインは、化学的に妥当なグラフをランダムに生成するだけの手法にすら勝てなかったと報告されています。

同じ「MS² から構造を当てる」という課題が、評価の切り方を変えるだけで 25% から 0% になる。これは手法が退化したのではなく、25% のかなりの部分が「似たものを訓練で見ていた」ことに支えられていたということです。

実務的には、次のように受け取るのが妥当でしょう。

  • 既知化合物クラスの近縁体を当てる用途では、in-silico ツールは実用水準にある。
  • 本当に新しい骨格については、ソフトウェアはまだ答えを持っていない。そこは分析者の仕事です。

だから「同定した」と言わずに、段階で申告する

同定信頼度レベルのピラミッド図。頂点のレベル1は確定構造でMS・MS2・保持時間・標準品が必要。レベル2aと2bは推定構造で実測ライブラリのMS2一致か診断的証拠による。レベル3は暫定候補、レベル4は一義的な分子式、レベル5は精密質量のみ。下の段で報告することは失敗ではない
図解:同定信頼度レベル ― レベル1は「標準品を測ったこと」と定義されている。装置の性能では上がらない。

ここまでの話を1本の実務に落とすと、こうなります —— 非標的分析の結果を「同定した/していない」の二値で書くのは、実態に合わない

この問題に対して2014年に提案され、現在では環境分析・食品・法科学・エクスポソーム研究の事実上の標準になっているのが、Schymanski らの同定信頼度レベルです(Environ Sci Technol 2014;48(4):2097-2098)。

レベル 呼び方 最低限必要なもの
1 確定構造(confirmed structure) MS・MS²・保持時間・標準品
2a ライブラリスペクトル一致による推定構造 MS・MS²・ライブラリ MS²
2b 診断的証拠による推定構造 MS・MS²+他の候補を排除できる証拠
3 暫定候補(構造・置換基・化合物クラス) MS・MS²+実験的裏づけ
4 一義的な分子式 MS・同位体・アダクト
5 関心のある精密質量 MS のみ

このスケールの本質は、レベル1が「標準品を測ったこと」と定義されている点にあります。どれほど高性能な装置を使い、どれほど賢いソフトウェアを回しても、標準品を測っていなければレベル1にはならない。逆に、標準品さえあれば古い装置でもレベル1に届きます。

レベル2a と 2b の区別も実務的です。2a は「ライブラリの実測 MS² と合った」、2b は「ライブラリにはないが、他の候補をすべて排除できる証拠がある」。in-silico 予測スペクトルとの一致は、実測ライブラリとの一致と同じ重みを持たない、という線引きがここに入っています。

そして、この6段階(1, 2a, 2b, 3, 4, 5)を報告書に書くこと自体が、「わからなかった」を隠さずに済ませる仕組みになっています。レベル4で報告することは失敗ではなく、そこまでは確かだという主張です。

分野ごとに枝分かれした ― PFAS の信頼度スケール

Schymanski のスケールは汎用的すぎて、特定の化合物クラスでは粒度が足りません。そこで分野ごとの派生版が作られています。PFAS 向けのものを見ると、この枠組みがどう使われているかがよくわかります。

Charbonnet JA, McDonough CA, Xiao F, Schwichtenberg T, Cao D, Kaserzon S, Thomas KV, Dewapriya P, Place BJ, Schymanski EL, Field JA, Helbling DE, Higgins CP. Environ Sci Technol Lett 2022;9(6):473-481.

このスケールでは、レベル1が 1a「標準品で確認(Confirmed by Reference Standard)」1b「標準品と区別できない(Indistinguishable from Reference Standard)」に分かれます。1b は、フッ素鎖の分岐位置や不飽和位置が違う異性体が MS² フラグメントで区別できない場合のためのカテゴリです。標準品と完全に一致していても、その一致が構造を一意に決めないことを正直に書くための段階です。

論文には、実務で効く指摘がいくつも入っています。

  • 標準品の保持時間は、PFAS では信頼できる基準にならない。例として、フルオロアルキルスルホンアミドは、同等かそれ以上の鎖長を持つペルフルオロアルキルスルホン酸よりかなり後に溶出する(RTFHxSA > RTPFHpS)。ベタインやスルホンアミド酢酸のような複雑な頭部を持つ PFAS では、保持時間の予測は非常に難しい。
  • レベル4(一義的な分子式)が、フッ素化合物では特に難しい。論文の理由づけはこうです ——「フッ素は質量が軽く、単一同位体であるため、m/z が大きくなるほど一義的な分子式の決定は難しくなる」。

この2つ目は、前半の議論と正面から噛み合います。分子式を絞り込む主力は同位体パターンという直交フィルタでした。ところがフッ素には安定同位体が1つしかない(¹⁹F のみ)ので、フッ素の数は同位体パターンに痕跡を残しません。PFAS は、分子式決定のいちばん強い武器が効かない化合物クラスなのです。Seven Golden Rules で F/C の許容範囲が他の元素より緩かったのも、同じ事情の裏返しです。

実例:消防士の血清で有意差が出たのは「暫定同定」の2つだった

消防士血清の事例の比較図。標的分析では49種を測って15種を検出したがベースラインと消火後で有意差なし。サスペクトスクリーニングでは新たに26種を同定し、消火後に有意に上昇していたのは暫定同定どまりのリン酸含有PFAS 2種だけだった
図解:消防士血清の事例 ― 標的分析では差が出ず、有意差が出たのは標準品で確認できなかった 2 種だった。

理屈が実務でどう出るかを、最近の一例で見ます。

Chen Y, Perera NLD, Beitel SC, Gulotta JJ, Calkins M, Burgess JL, McDonough CA. "Known and Novel Per/Polyfluoroalkyl Substances (PFASs) in Serum of Tucson (AZ) Firefighters" Environ Sci Technol 2026;60(30):20801.

米ツーソン消防局の33名について、年次健診時の「ベースライン」血清と、火災対応から35時間以内に採った「消火後」血清を対にして、高分解能MSで分析した研究です。

  • 標的定量では 49種の PFAS を測り、15種が50%超の試料で検出された。
  • 標的分析の範囲では、ベースラインと消火後で有意差はなかった
  • サスペクトスクリーニングによって、さらに26種の PFAS が同定された。
  • そのうち、消火後に有意に上昇していた(p < 0.01)のは、「暫定同定(tentatively identified)」どまりのリン酸含有 PFAS 2種だった。

つまり、この研究でいちばん意味のある所見は、標準品で確認できなかった物質から出たわけです。標的分析だけを回していれば「差はなかった」で終わっていました。

著者らは全ピークに信頼度レベル(前節の PFAS 信頼度指標に基づく CL1〜CL4)を付し、可能なものについては標準品を入手して、その PFAS を含む血清試料と、標準品を添加した血清とを並べて測ることで暫定同定を確認しています。ここまでやっても、上昇が見えた2種はレベルを上げきれなかった。

この事例は、非標的分析の使いどころを言い当てています。非標的分析は結論を出す道具ではなく、標的分析の対象リストを書き換えるための道具です。「暫定同定のまま有意差が出た」という結果は、次に標準品を合成・入手すべき物質を名指ししています。

どこから追いかけるのか ― 規制側が引いたしきい値

ICH Q3A と ICH Q3E のしきい値の作り方の対比図。Q3A は濃度比で切り、0.10%を超える不純物は同定にいく。未同定不純物は保持時間だけで定義される正式なカテゴリ。Q3E は毒性側のTTC 1.5 µg/日から逆算してAETを作り、暫定的な構造による部分的解明を条件つきで認める
図解:しきい値の2つの作り方 ― 医薬品は濃度比で切り、抽出物・浸出物は毒性から逆算する。どちらも「全部は同定できない」を前提にしている。

「未知ピークをどこまで追うか」は、科学の問題であると同時に資源配分の問題です。規制側はこれを濃度のしきい値として明文化しています。分野によって作り方が2通りあります。

医薬品:濃度比で切る(ICH Q3A)

新原薬の不純物について、ICH Q3A(R2) は3段階のしきい値を置いています(最大1日投与量 2 g/day 以下の場合)。

しきい値 意味
報告閾値 0.05% これを超えたら報告する
同定閾値 0.10%(または 1.0 mg/日摂取量のいずれか低いほう) これを超えたら構造を決めにいく
確認(安全性)閾値 0.15%(または 1.0 mg/日のいずれか低いほう) これを超えたら毒性学的裏づけが要る

最大1日投与量が 2 g/day を超える場合は、それぞれ 0.03% / 0.05% / 0.05% と厳しくなります。

そして Q3A は、「未同定不純物」を正式な用語として定義しています

未同定不純物(Unidentified Impurity):構造決定が達成されておらず、定性的な分析上の性質(例:クロマトグラフィーの保持時間)のみによって定義される不純物。

保持時間だけで定義される物質に、規制文書が名前を与えている。同定できないことは異常事態ではなく、管理すべき正常な状態のひとつとして制度に組み込まれている、ということです。

抽出物・浸出物:毒性から逆算する(ICH Q3E)

もう一方の作り方が、2025年8月1日に Step 2(パブリックコメント段階、意見提出期限 2025年12月18日)に到達した ICH Q3E「抽出物・浸出物(Extractables and Leachables)」ガイドラインです。容器・包装・製造機器から医薬品に移行してくる化合物を扱うもので、まさに「リストのない未知」が相手になります。

中核は AET(Analytical Evaluation Threshold、分析評価閾値)です。ドラフト本文の定義はこうです。

AET は管理閾値ではなく、それを超えた抽出物・浸出物について、安全性評価のために同定・定量・報告を行うべき濃度に対応する閾値である。

作り方は医薬品の不純物とは逆向きで、毒性側の閾値(SCT: Safety Concern Threshold)から最大1日投与量で割り戻して、分析上の濃度に落とします。SCT は TTC(毒性学的懸念の閾値)と QT(確認閾値)の低いほうを採り、10年超の投与では TTC が 1.5 µg/日。QT の値は投与経路ごとに異なり、約330件の浸出物 PDE を精査して導出されたと本文に書かれています。

分析者にとって重要なのは 5.1 節の「分析上の不確かさ係数(analytical uncertainty factor, UF)」です。半定量法で AET を使うとき、標準物質と分析対象の応答係数の差によって濃度を過小評価しうるので、係数を掛けて閾値を下げよ、という規定です。

一定の状況下では、0.5 を超えない不確かさ係数(UF)を掛けることが許容されるアプローチである。

つまり、構造がわからない物質を、構造がわかっている標準品の応答で定量しているという事実に対して、規制側は「その分だけ閾値を半分に下げておけ」と答えている。非標的分析の定量が原理的に不確かであることを、係数として制度に埋め込んだかたちです。

そして本記事の主題にいちばん近いのが、6.3 節の一文です。

化合物構造の部分的または不完全な解明の受容可能性は、分析的観点から正当化されなければならない。毒性学的に正当化される場合、暫定的な構造を与える部分的解明が安全性評価に資することがある

規制ガイドラインが「構造が完全には決まらないことがある」と明記し、その場合の扱いを書いている。Schymanski のレベル3(暫定候補)が、医薬品規制の文脈で言い換えられていると読めます。

偽陽性をどう見積もるか

偽陽性を絞り込む直交条件の4象限図。保持時間による極性と溶出順の整合性、同位体パターンと質量欠損によるハロゲン・硫黄数の確認、CCSによる確認、ブランクとの差。低分子ではペプチドのようなターゲット・デコイが作りにくい
図解:偽陽性の絞り込み ― 低分子では統計的 FDR が作りにくいぶん、直交条件による足切りが効く。

最後に、ENTACT で見た「入れていないものまで報告される」問題です。プロテオミクスではターゲット・デコイ法による FDR(偽発見率)推定が定着していますが、低分子の同定では事情が違います。ペプチドは配列をシャッフルすれば妥当なデコイが作れますが、低分子には「もっともらしい偽の構造」を機械的に作る自明な方法がないからです。

それでも試みはあります。Wang らはランダムな構造を用いたターゲット・デコイ戦略を低分子同定に持ち込み、大規模代謝物同定の FDR 推定法として報告しています(J Proteome Res 2018;17(7):2328-, JUMPm)。また2024年には、SIRIUS 5 の CSI:FingerID スコアで MassBank を対象に検証し、「2位のスコアを使う方法」が真の FDR 0.05 に近い推定を与え、疑似ターゲット・デコイ法より保守的だったとするプレプリントも出ています(bioRxiv 2024.06.16.599235。査読前であることに注意)。

実務では、統計的 FDR よりも直交条件による足切りのほうが確実です。

  • 保持時間の整合:構造から予想される極性と溶出順が矛盾していないか。ただし前述のとおり、PFAS のように予測が効かないクラスもあります。
  • 同位体パターンと質量欠損:ハロゲン・硫黄の数が合っているか。PFAS では負の質量欠損が強力な指標になります。
  • CCS(衝突断面積):イオンモビリティを併用する場合。同一の IMS 方式なら実験室間バイアスは概ね 2% 以内とされますが、CCS 値の性質と較正の落とし穴は別記事にまとめています → イオンモビリティMS徹底解説 ― CCSは「測った値」ではない
  • ブランクとの差:ENTACT の教訓どおり、偽陽性の相当部分は試料由来ではありません。

分析者の視点

現場に持ち帰るとしたら、この順序になります。

  1. 報告書に「同定した」と書かない。レベル(1 / 2a / 2b / 3 / 4 / 5)を書く。書式が変わるだけで、読み手の意思決定が変わります。レベル4での報告は失敗ではありません。
  2. 装置の質量精度だけで議論しない。分子式を決めているのは、質量精度と同位体存在比の忠実度の組み合わせです(3 ppm+2% が 0.1 ppm に勝つ)。デモ機では同位体比の実測誤差を確認してください。
  3. GC と LC を1つの手法として数えない。ENTACT では、正答した化合物の 45.3% が片方でしか出ませんでした。片方だけなら、見えない領域が残ることを最初から書いておく。
  4. in-silico ツールの出力は「候補の順位」であって答えではない。既知クラスの近縁体には効きますが、新規骨格には届きません(MassSpecGym のベースラインは正解率ゼロ)。
  5. 非標的分析の成果物は「濃度」ではなく「次に買うべき標準品のリスト」だと考える。消防士血清の例のように、いちばん重要な所見が暫定同定どまりになることは普通に起きます。
  6. 追う範囲は、感度ではなくしきい値で決める。医薬品なら ICH Q3A の同定閾値 0.10%、抽出物・浸出物なら ICH Q3E の AET(+UF ≤ 0.5)。しきい値を先に決めれば、「どこまでやれば終わりか」が決まります。

やってはいけないことも3つ挙げておきます。

  • ライブラリのスコアだけで同定を主張する。スコアの計算法はベンダー間で非公開かつ非互換で、閾値に普遍的な意味はありません(PFAS スケールの論文も、許容スコア閾値を定義することの難しさに触れています)。
  • in-silico 予測スペクトルとの一致をレベル2a と呼ぶ。2a は実測ライブラリとの一致です。
  • 標準品を買わずに結論を出す。レベル1に至る道は、20年経っても標準品しかありません。

まとめ

非標的分析は、この10年で分子式決定・候補絞り込み・構造推定のいずれにも強力な道具を得ました。それでも、答えを全部わかっている試料で目隠しテストをすると 46%、答えを見てやり直しても 65% です。

この数字が示しているのは道具の未熟さではなく、課題の構造です。質量精度をいくら上げても分子式は一意にならず(0.1 ppm でも 500 Da 超で複数解)、分子式が決まっても構造は決まらず(既知データベース前提で 44.4%、新規骨格では 0%)、最後は標準品を測るしかない。

だからこの分野は、「同定した」という言葉を段階に分解するという道を選びました。Schymanski の5段階も、PFAS の 1a/1b も、ICH Q3E の「暫定構造による部分的解明」も、同じ思想の別の言い方です。

わからなかったことを、わからなかったと書ける書式を持っている。それが、非標的分析という分野がこの20年で獲得したいちばん重要なものだと思います。

未確認・限界

正直に書いておきます。

  • Schymanski らの原著(Environ Sci Technol 2014;48(4):2097-2098)は、ACS のサイトが編集側の環境から取得できず(403)、本文を直接確認できていません。本記事に載せたレベル定義は、これを引用している査読済みオープンアクセス論文2本(Int J Mol Sci 2024;25:11947 および Anal Bioanal Chem 2024;416:1679)に共通して現れる記述にもとづいています。なお、この2本のあいだでもレベル2b の定義に食い違いがありました(前者は「オンラインDBのライブラリ一致」、後者は原著どおり「診断的証拠による推定構造」)。本記事は後者を採りました。レベルの定義そのものが現場で少しずつずれて使われていることは、この枠組みを使ううえで知っておく価値があります。
  • ライブラリの収録件数(mzCloud・NIST・GNPS・MassBank の規模)は、本記事では数値を出していません。調査段階で得られた数値が、URL を持たない出所不明の文書に帰属していたため不採用としました。カタログ値は各提供元の公式ページで確認してください。
  • ENTACT の 46% / 65% は、参加ラボの1つ(EPA 自身のグループ)が自分の LC 手法について自己評価した値です。全参加ラボの集計値ではありません。ラボ間・手法間のばらつきは大きいと報告されています。
  • CCS の実験室間バイアス「2% 以内」は、調査で得た二次的な記述にもとづく参考値として挙げました。原典の一次データまでは本記事では追っていません。
  • ICH Q3E は Step 2 のドラフトです。Step 4 での最終化は2027年6月ごろが想定されており、本記事に引いた条文は変わりうる。

用語集

用語 意味
非標的分析(NTA) 事前の化合物リストを持たずに、試料中の未知成分を網羅的に探す分析。
サスペクトスクリーニング 化合物リストは持つが標準品は持たない状態でのスクリーニング。
フィーチャー(feature) 「m/z +保持時間」の組で定義される、まだ化合物と結びついていない信号の単位。
精密質量と質量精度 精密質量は小数点以下まで含めた質量。質量精度はその測定誤差で、ppm(百万分率)で表す。
同位体パターン M+1・M+2 などのピーク高さの比。元素組成を反映するため、質量とは独立した手がかりになる。
直交フィルタ もとの情報と独立な別の情報による絞り込み。ここでは精密質量に対する同位体パターン。
LEWIS 則・SENIOR 則 原子価から見て構造として成立しうる元素組成かどうかの判定則。
in-silico フラグメンテーション 候補構造から MS² スペクトルを計算で予測し、実測と照合する手法。
フィンガープリント 分子の部分構造の有無をビット列で表したもの。MS² から予測して構造検索に使う。
de novo 構造生成 データベースを引かずに、スペクトルから直接構造を組み立てる手法。
同定信頼度レベル 同定の確からしさを段階で申告する枠組み。レベル1(標準品で確認)〜5(精密質量のみ)。
AET(分析評価閾値) それを超えた抽出物・浸出物は同定・定量・報告すべきとされる濃度(ICH Q3E)。
SCT(安全性懸念閾値) 毒性学的に無視できるとみなせる暴露量。AET はここから逆算される。
同定閾値 これを超えた不純物は構造決定にいくべきとされる濃度比(ICH Q3A、通常 0.10%)。
FDR(偽発見率) 報告した同定のうち誤りが占める割合の推定値。
質量欠損 精密質量と公称質量の差。PFAS では負に振れるため、フッ素化合物の絞り込みに使える。

出典

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  2. Sobus JR, Grossman JN, Chao A, Singh R, Williams AJ, Grulke CM, Richard AM, Newton SR, McEachran AD, Ulrich EM. "Using prepared mixtures of ToxCast chemicals to evaluate non-targeted analysis (NTA) method performance." Anal Bioanal Chem 2019;411(4):835-851. doi:10.1007/s00216-018-1526-4 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6469933/
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  13. ICH. "Guideline for Extractables and Leachables Q3E" Step 2 Draft Guideline, 2025-07-04. https://database.ich.org/sites/default/files/ICH_Q3E_EWG_Step2_DraftGuideline_2025_0704.pdf
  14. ICH. "Impurities in New Drug Substances Q3A(R2)." https://database.ich.org/sites/default/files/Q3A%28R2%29%20Guideline.pdf
  15. Wang X, Anderson GA, Smith RD, et al.(JUMPm)"Target-decoy Based False Discovery Rate Estimation for Large-scale Metabolite Identification." J Proteome Res 2018;17(7):2328-. doi:10.1021/acs.jproteome.8b00019 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6252074/
  16. "Data processing of product ion spectra: Methods to control false discovery rate." bioRxiv 2024.06.16.599235(査読前プレプリント)https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2024.06.16.599235v1

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制作メモ:本記事はディープリサーチ(NotebookLM)で一次情報候補を収集し、主要な主張・数値・出典を編集側で原著にあたって検証したうえで執筆しています。今回は取り込んだ105件のうち1件がURLを持たない生成文書で、ライブラリ収録件数・特徴量のアノテーション率などがそこに帰属していたため、それらの数値はすべて不採用としました。