定量LC-MS/MSのメソッド開発 ― MRM最適化に「最大化してよい量」はひとつもない【2026年版】
MRM の最適化は「感度を最大にする作業」だと思われている。だが実際に最大化できる量はひとつもない。 ドウェル時間を伸ばせばサイクル時間が延びてピークの点数が減り、点数を稼ごうとドウェルを削れば イオン統計が痩せる。トランジションを増やせば同時監視数が増えて両方が悪化する。メーカー自身の 技術資料が「多重化を3倍にする2つの方法」として示している図は、どちらを選んでも別の何かが壊れる という図である。本記事は SANTE のイオン選択条文、SCIEX のサイクル時間の式、島津の実測 %RSD、 Thermo の血清中103トランジションのデータを原典で確認し、トランジション選択・コリジョンエネルギー・ Q1分解能・ドウェルとサイクルの算術・スケジュール MRM・クロストークまでを、装置の前で決める順序に沿って整理する。