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2D-LC徹底解説 ― ピークキャパシティの積が「絵に描いた餅」になる理由と、その回避策【2026年版】

2D-LC徹底解説 ― ピークキャパシティの積が「絵に描いた餅」になる理由と、その回避策【2026年版】

2D-LCの分離能は「両次元のピークキャパシティの積」と説明される。しかしこれは、 一次元の溶出液を十分な頻度で切り出せて、かつ二次元が一次元とまったく異なる選択性を持つ、 という理想条件でしか成立しない。実際にはアンダーサンプリング補正係数βと空間占有率で割り引かれる。 本記事は、Murphy-Schure-Foleyの「8σ幅に3〜4回」という基準、Davis-Stoll-Carrのβ=√(1+3.35(ts/w1)²)、 再平衡3秒という実測の下限、Agilentのアクティブ溶媒モジュレーションの希釈倍率、 そして「2Dへ移すとLOQが悪化し溶媒消費が10倍以上になる」という代償までを、原著論文とメーカー技術資料で確認して整理する。 さらに、βの式をサンプリング回数で書き直すと「8σ幅に3〜4回」が一次元の分離能の26〜37%を捨てる設計点であること、 一次元を高性能にしても実効値には天井があること、その天井が二次元カラムの容積で決まることを計算で示す。

HILIC徹底解説 ― 逆相で保持しない極性化合物を、水層と平衡化から攻略する【2026年版】

HILIC徹底解説 ― 逆相で保持しない極性化合物を、水層と平衡化から攻略する【2026年版】

逆相で保持しない極性化合物を分離する手段がHILIC(親水性相互作用クロマトグラフィー)である。 高有機溶媒の移動相を使い、固定相表面に形成される水に富んだ層への分配で保持する——という説明が 広く使われてきたが、2023年の定量的な研究は、分配が支配的な化合物と表面吸着が支配的な化合物が 混在することを示している。本記事では保持機構を最新の知見で整理し、固定相・移動相・緩衝液の選び方、 そして実務で最も事故が多い「試料希釈液」と「平衡化」——新品カラムに60〜80カラム容量が必要という 逆相の常識との違い——を、メーカー公式ガイドと論文を根拠に解説する。 あわせて、その60〜80カラム容量が実際に何分なのかを寸法と流量から計算し、 100検体のバッチで再平衡だけに何時間消えるかまで数字にする。

HPLC/UHPLCカラムの選び方 ― α を 0.05 上げた分を段数で買うなら、カラムは 3.6 倍の長さになる【2026年版】

HPLC/UHPLCカラムの選び方 ― α を 0.05 上げた分を段数で買うなら、カラムは 3.6 倍の長さになる【2026年版】

分離度の式を日本薬局方〈2.00〉の定義から組み立てると、分離係数 α を 1.05 から 1.10 に動かした効果を 理論段数で埋め合わせるには、段数を 3.6 倍=カラムを 3.6 倍の長さにする必要がある。だからカラム選びは 「長さ」より先に「固定相」で決まる。HPLC/UHPLCのカラム選びを、分離モード(逆相/HILIC/SEC・IEX)→固定相化学 (C18/C8/フェニル/PFP/HILIC)とUSP L分類→シリカ・ハイブリッド(BEH)・コアシェル→粒子径とvan Deemter・背圧→ 細孔径(小分子100Å/タンパク質300Å)→カラム寸法→メソッド移管の順に、局方と査読論文の原文にあたって整理する。

オリゴ核酸医薬の不純物解析 ― IP-RP・HILIC・2D-LC-MSで複雑なプロファイルを解く

オリゴ核酸医薬の不純物解析 ― IP-RP・HILIC・2D-LC-MSで複雑なプロファイルを解く

アンチセンス(ASO)やsiRNAなどオリゴ核酸医薬の不純物解析を、原理から実務まで出典つきで解説する。 固相合成由来のショートマー(n-1)/ロングマー、脱プリン、ホスホロチオエート(PS)→PO変換やPSジアステレオマーという 難物を、ゴールドスタンダードのIP-RP LC-MS、直交するHILIC、そしてハートカット2D-LCのオンライン脱塩で解きほぐす。 HFIPとPFAS問題、非特異吸着(NSA)対策、HRMS/イオンモビリティ、EMA 2024の閾値まで、入門者にも専門家にも届く形でまとめる。