円偏光二色性(CD)とタンパク質高次構造 ― α と β が混ざると、二次構造の推定は当て推量の1.4倍しか当たらない【2026年版】
円偏光二色性(CD)は、バイオ医薬品の高次構造を見る標準的な手法として ICH Q6B に名指しされ、 日本薬局方にも〈2.28 円偏光二色性測定法〉として収載されている。だが局方が二次構造解析について書いているのは 「算出に用いた方法を試験法に明記する」の一文だけで、どの参照データセットを使えとも、どれだけ合っていればよいとも書いていない。 そして、最も使われている解析サーバーの作者は「精度を左右する最大の要因は参照データセットである」と明記している。 本記事は JP19〈2.28〉の原文、DichroWeb・BeStSel の原著、そして「CD にはタンパク質二次構造解析にとって 本質的な限界がある」と題した論文の表を筆者自身が数え直したうえで、この手法が何を返し、何を返さないかを整理する。