カテゴリ: データ解析

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ケモメトリクス入門 ― 乱数だけの表に PCA をかけても、主成分が 49 本「見つかる」【2026年版】
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ケモメトリクス入門 ― 乱数だけの表に PCA をかけても、主成分が 49 本「見つかる」【2026年版】

主成分分析もクラスタリングも、構造がまったく無いデータに対しても必ず答えを返す。試料 50・変数 200 の純粋な乱数表に PCA をかけると、カイザー基準は 49 本、累積寄与率 80 % 基準は 30 本の主成分を「意味あり」と判定する。正解はゼロ本である。平行分析だけが 0 を返す。共通するのは「乱数データという対照と比べる」という一点で、それを欠いた解析はどんな結果でも出せてしまう。

JASIS 2026 は何が並んだのか ― 主催者が掲げた「AI×分析・計測」に触れた演題は、318 件中 23 件だった
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JASIS 2026 は何が並んだのか ― 主催者が掲げた「AI×分析・計測」に触れた演題は、318 件中 23 件だった

JASIS 2026 の公式プログラムに載った出展社セミナー 318 件を機械的に数えた。主催者が今年の見どころに掲げた「AI×分析・計測」に触れる演題は 23 件(7.2 %)、「フィジカルAI」を名乗るのは 1 件だった。いちばん多いのはクロマトグラフィーの 79 件で、AI の 3.4 倍。あわせて、公式が公表している来場者数が「重複なし 19,750 名」と「1日1カウント 22,926 名」の2通りあることも確認した。本記事は会場取材ではなく、公式発表と公開プログラムの集計に基づく。

標準物質・検量線・トレーサビリティ ― 相関係数 0.999 を満たした検量線の 95 % で、定量下限が ±20 % を外れていた【2026年版】
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標準物質・検量線・トレーサビリティ ― 相関係数 0.999 を満たした検量線の 95 % で、定量下限が ±20 % を外れていた【2026年版】

「トレーサブルな標準物質を使っています」と言うとき、何がトレーサブルなのか。国際計量計測用語集(VIM)の定義では、 計量トレーサビリティは「測定結果の性質」であって、標準物質でも装置でも研究機関でもない。しかも VIM は続けて 「トレーサビリティは、不確かさが目的に対して十分であることも、間違いが無いことも保証しない」と明記している。 では何が答えを決めるのか ―― 検量線の引き方である。1〜1000 の 10 点を、点はまったく同じまま重み付けだけを 変えて 20000 回引き直したところ、定量下限の相対誤差の標準偏差は 361 % と 2.3 %、ICH M10 の ±20 % を外れる確率は 95.4 % と 0.0 % に分かれた(筆者シミュレーション)。しかも相関係数は 0.999 を超えている。ICH Q2(R2) は 重み付けに一言も触れていないが、同じ文書が「残差プロットの非ランダムなパターンを評価せよ」と書いている。

クロマトグラムの積分とピーク処理 ― 同じ不純物が、積分モードしだいで 0.028 % にも 0.104 % にもなる【2026年版】
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クロマトグラムの積分とピーク処理 ― 同じ不純物が、積分モードしだいで 0.028 % にも 0.104 % にもなる【2026年版】

クロマトグラフィーの最後の一歩、ピーク積分は「読み取り」ではなく「決定」である。 同じ電気泳動図の同じ不純物ピークを4つの積分モードで処理した査読論文の実測では、 真値 0.100 area% に対して 0.104 %・0.071 %・0.041 %・0.028 % という4つの答えが出て、 誤差は +4.2 % から −72.1 % まで広がった。どのモードも正しい値を返していない。 本記事は、この「決定」がどこで効くのかを、垂直分割の誤差の自前計算(分離度と テーリングファクターで表にした)、CDSの積分パラメータ、局方の記述、 そして手動積分を名指しした FDA ウォーニングレターと MHRA の生データ定義まで、 一次資料で追う。

ラボ自動化とLIMS/ELNの選び方 ― 選定でいちばん効くのは「出るときの条件」【2026年版】
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ラボ自動化とLIMS/ELNの選び方 ― 選定でいちばん効くのは「出るときの条件」【2026年版】

LIMS や ELN の選定は、機能比較表を並べる作業だと思われている。だが導入から10年後に効いてくるのは、 入れた機能ではなく「そのシステムからデータを取り戻せるか」である。しかもこれは筆者の意見ではない。 EU が2025年に公開した GMP Annex 11 改訂ドラフトは、外部サービスとの契約に 「規制当事者がシステムデータの管理を保持できる出口戦略」を定めよと明記した。PIC/S は メタデータが失われる恐れがあるなら PDF 化は禁止されるべきと書き、移行によって動的機能が 失われうることを認めている。本記事は 21 CFR Part 11・PIC/S PI 041-1・EU Annex 11 改訂ドラフト・ 厚労省コンピュータ化システム適正管理ガイドラインを原典で読み、LIMS/ELN/LES/SDMS/CDS の役割分担、 カテゴリ分類とカスタマイズの代償、機器接続の標準(SiLA 2・AnIML・Allotrope)、 そして自律実験ラボの現在地までを、選定の順序に沿って整理する。

JASIS 2026 の歩き方 ― 「AI×分析・計測」で何が変わるのかを見に行く
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JASIS 2026 の歩き方 ― 「AI×分析・計測」で何が変わるのかを見に行く

アジア最大級の分析・科学総合展「JASIS 2026」が2026年9月2日〜4日に幕張メッセで開かれる。 主催者が今年の見どころに挙げたのは「AI×分析・計測」――測定・解析・制御を自動でつなぐ ラボオートメーションと、自律的に判断・作動するフィジカルAIである。LabDXゾーンに集まる11社、 生成AIや食品・半導体をテーマにした注目セミナー、島津の「AX」やJASCOの分光・SFCといった 出展内容を、主催者・出展社の公式発表だけを根拠に整理し、分析化学者としてどこを見て何を 持ち帰るべきかを、開幕前に組み立てておく。

AI・機械学習が変える分析化学 ― 正解率 69.6 % は、15 個の候補のどれかが当たった割合である【2026年版】
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AI・機械学習が変える分析化学 ― 正解率 69.6 % は、15 個の候補のどれかが当たった割合である【2026年版】

1D NMR から構造を当てる機械学習の報告は「69.6 %」という数字を出している。ただしこれは 1 発で当たる確率ではなく、候補を 15 個出したうちのどれかに正解が入っていた割合で、 裏返せば 15 個並べても約 3 割は正解を含まない。それでも探索空間は最大 11 桁縮む。 AI・機械学習は分析化学の「測る」より下流――スペクトルやクロマトグラムを読み解く 解析工程を急速に変えつつある。NMR からの構造推定、質量分析による未知化合物・ペプチドの同定、 クロマトの保持時間予測、複数手法をまたぐ「基盤モデル」までを手法別に整理し、あわせて 過学習・データリーケージ・再現性といった落とし穴と、分析者が果たすべき役割を解説する。